やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2025/12/30
賃借物件のオーナーが非居住者に変更となった際に借主に発生する源泉徴収義務とは

[相談]

 当社は、A県に所在する店舗を賃借して営業を行っており、私はその会社で経理を担当しています。
 ところで先日、その物件についてオーナーチェンジがあり、当社に対して新しいオーナーが中国在住の中国人となった旨の通知がありました。
 聞くところによると、所得税法上の非居住者や外国法人に対して国内にある不動産の賃料を支払う際には、その賃料に支払いの際に所得税(および復興特別所得税)の源泉徴収と納付を行う必要があるそうですが、当社の事例も該当するのでしょうか。教えてください。

[回答]

 ご相談の店舗について中国在住の中国人オーナーに対してその賃料を支払う際には、20.42%の税率により所得税(および復興特別所得税)の源泉徴収と納付を行う必要があります。詳細は下記解説をご参照ください。

[解説]

1.非居住者や外国法人に不動産の賃借料を支払ったときの源泉徴収義務の概要

 所得税法では、非居住者(※1)に対し国内において一定の「国内源泉所得」の支払をする者(※2)又は外国法人に対し国内において一定の国内源泉所得をする者(※2)は、その支払の際、これらの国内源泉所得について所得税(および復興特別所得税)を源泉徴収し、その徴収の日の属する月の翌月10日までに、これを国に納付しなければならないと定められています。

 上記の「国内源泉所得」には、国内にある不動産、不動産の上に存する権利の貸付けによる対価が含まれており、その源泉徴収税率は20.42%と定められています。

 したがって、今回のご相談の場合のように、非居住者や外国法人に対して日本国内にある不動産を借り受け、日本国内で賃料を支払う際には、20.42%の税率により計算した額の所得税(および復興特別所得税)を源泉徴収し、これを納付しなければならないこととなります。

 ただし、個人が自己又は親族の居住用に借りた場合は、源泉徴収をする必要はありません。

※1 非居住者とは、国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人以外の個人をいいます。

※2 法人・個人を問わず、また、個人事業者であるかどうかも問いません。

2.日中租税協定との関係

 所得税法では、「租税条約において国内源泉所得につき所得税法の規定と異なる定めがある場合には、その租税条約の適用を受ける者については、国内源泉所得は、その異なる定めがある限りにおいて、その租税条約に定めるところによる」と定められています。

 このため、今回のご相談の場合、日中租税協定(※3)の内容も確認する必要が生じますが、日中租税協定では「一方の締約国(※4)の居住者が他方の締約国(※5)に存在する不動産から取得する所得に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。」と定められています。

 したがって、今回のご相談の場合のように、中国在住の中国人オーナーに対して日本国内にある不動産の賃料を支払った場合には、日中租税協定においてもその中国人オーナーが受領した賃料について我が国で課税できることになっていますので、上記1.の規定により所得税(および復興特別所得税)が課税され、その賃料に支払いの際に20.42%の税率により所得税(および復興特別所得税)の源泉徴収と納付を行う必要があることとなります。

※3 正式名称は、「所得に対する租税に関する二重課税の回避又は脱税の防止のための日本国政府と中華人民共和国との間の協定」です。

※4 今回のご相談の場合は、中国となります。

※5 今回のご相談の場合は、日本となります。

[参考]
所法2、161、162、212、所令328、日中租税協定6など

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