作成日:2011/05/16
神戸の税理士ささやんからの便り
1910年12月、東京・代々木練兵場で動力付飛行機がわが国で初めての飛行に成功してから約100年。かつて高嶺の花だった飛行機旅行は、パック旅行の発売や円高などに後押しされ、ずいぶん身近になりました。
そして今、注目されているのが「格安航空会社」、いわゆるローコストキャリア(LCC)です。これまで格安で飛行機に乗ろうと思ったら「格安航空券」が主流でした。この2つ、一体どこが違うのでしょうか。
「格安航空券」とは、航空会社が旅行会社に卸している割引料金の航空券のこと。旅行会社からのみ購入できるチケットです。対して「格安航空会社」とは、効率化や経費削減を行うことにより、安い運賃で旅客サービスを提供する航空会社を言います。食事や飲み物といった機内サービスを省略または有料化、座席指定不可、予約や購入がインターネットのみ、さらにはトイレの有料化、立ち席の検討など徹底したコスト削減で、大手航空会社や格安航空券よりも安い料金が実現するという仕組みです。
もともとは1990年代、航空自由化政策によりさまざまな制約が緩和されたためにアメリカやヨーロッパで始まったビジネスモデルで、次第にアジアへと広まりました。日本にもジェットスター航空をはじめとして、茨城・上海間の料金が4,000円ということで大きな話題になった春秋航空が参入し、今後も続々と就航する予定です。さらに全日空も春をめどにLCCを立ち上げ、東京・大阪間が5,000円程度という新幹線より安い、長距離バス並みの料金を予定しているようです。
大手旅行会社の調査によれば、格安航空会社を知っている人は56%いるものの、利用したことがある人は5%とまだまだ少ないことがわかりました。ただ、約4割の人が今後利用してみたいと答えていて、浮いたお金は旅行回数を増やすと言う人が3割で一番多かったそうです。
格安料金を実現させるため、航空会社のウェブサイトからしか購入できなかったり、キャンセル料がかかったり、荷物の持ち込み制限が厳しかったり、欠航や遅延時の他社便振替サービスの有無も各社まちまちです。それでも安い料金で気軽に海外に行けるのは魅力的ですね。